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【星空 撮影 アプリ】iPhoneで満天の星空の撮影方法・天の川も撮れる!【スマホ おすすめ アプリ】
iPhoneのカメラで満天の星空を撮影したい!

iPhoneのカメラを使って、満天の星空をカメラに撮影することが出来るのか。世界一の星空が眺められるニュージーランドのテカポ湖に行って、実際にiPhoneを使って上の星空の写真を撮ってきたので、その撮影方法と、おすすめ写真アプリ、そして必要機材などを詳しく紹介したいと思う。もちろん、本当に本格的な星空写真を撮りたい場合は一眼レフを持って、専用のレンズを使って撮影するのが一番ではあるが、そんなプロ志向の機材を集めるのは一苦労だし、海外旅行に持っていくのも非常に大変だ。なんとかiPhoneと最小限の機材だけで満天の星空を撮影出来ないのか。苦労の末にあみだした、私のとっておきの星空撮影方法を紹介したいと思う。
ちなみに写真に写ってるのは、南半球から見える、日本ではあまり見ることが出来ない南十字星とその周辺の星空。写真にモワモワっと雲がかかっているように見えているのは天の川。そして写真中央部に短い線が横切っているのは、なんと!流れ星。実際の肉眼でもこんな感じで満天の星空が広がってたのだが、はたしてこの星空写真をどうやって撮ったのか、私の汗と涙で編み出した撮影方法をどうぞ!
必要機材と星空撮影アプリ
それでは、実際に私達がニュージーランド・テカポ湖の星空撮影に使用した、必要機材とおすすめの星空撮影アプリを紹介していきたい。必要機材といっても、iPhoneの本体以外は、アップルストア、アマゾン、100円ショップで手に入るものばかり。高価なものはiPhone以外一切無し。


星空撮影に使えるiPhoneの機種

まずはiPhone本体から。「え!?iPhoneの機材なら何でも良いんじゃないの?」と思うかもしれないが、実はiPhoneでも、星空をうまく撮影できる機種は決まっている。その星空撮影に適したカメラを持つiPhoneは「iPhoneXS」、もしくは「iPhoneXR」以上の機種だ。
他のiPhoneでも星の点だけを撮影することは可能だが、天の川もなんとか写真に撮影しようとすると、HDR(ハイダイナミックレンジ)の技術が進化した「iPhoneXR」以上が必須となる。後でiPhoneXで撮影した星空の写真も紹介したいと思うが、ノイズが凄くて天の川までは捉えきれないのが分かるはずだ。
星空撮影におすすめのアプリ

星空撮影に使用したおすすめのアプリはこちら「Night Cap カメラ」だ。星空撮影を謳ったアプリはそこそこあるのだが、実際に利用してみて一番しっくり来たのがこのアプリ。360円と有料ではあるが、その分しっかりとした性能を備えているため、他のアプリに比べて簡単でキレイな星空を撮影できる。

周辺機材

星空撮影に用意した周辺機材はこの2つ。iPhone用三脚と、100円ショップのダイソーで300円で購入できるBluetooth接続の遠隔ボタン。撮影ではおよそ15秒~20秒間、完全にiPhoneを静止する必要があるため三脚は無くてはならない道具。また、Bluetoothのボタンは、iPhoneに触れなくてもシャッターを切ることができるので手ブレ防止にはあったほうが良い。(ボタンを押す動作でも手ブレが発生しやすいため)
トーンカーブを弄れるアプリ(ソフト)

あと、写真撮影後の写真を修正してより美しい星空に仕上げるために、画像のトーンカーブを弄れるソフト(アプリ)があると良い。単にiPhoneで写真を撮っただけでは、天の川の淡い光は暗いままでうまく目で捉えられないため、画質のトーンカーブ(写真の明るさや明暗の比率・コントラストを修正する項目)を調整できるソフト(アプリ)があると心強い。もちろん、写真に修正をした時点で「本当の写真じゃないじゃん!」と思うかもしれないが、iPhoneで天の川という淡い光を再現するには多少アプリの力を借りる必要がある。目視で判断しづらいだけで、実際に写真データには天の川の光はちゃんと写ってるしアプリの力を借りるのはセーフ・・だと思う。
おすすめの画質修正アプリは、欲を言えばAdobeのPhotoshopであるが、こちらは有料で非常に高価だったりするので万人におすすめできるものではないが、スマホのアプリでよければGoogleが無料の「Snapseed」というアプリを提供している。PCぐらいの画面の大きさが無いと星空のような繊細な写真を修正するのは難しくはなってくるが、まぁ、トーンカーブをいじる程度であればスマホ画面でも出来なくはないので、できるだけ無料で済ませたい人はSnapseedを利用するといいだろう。
実際に星空撮影に挑戦だ!

では、以上の写真アプリや必要機材などを揃えたところで、いよいよ本当に星空撮影を行っていきたいと思う。撮影場所は南半球のニュージーランド・テカポ湖にて、2019年1月始め。星空は月明かりがあると夜空が明るくなってしまい良くないが、この時期の月は日の入りからかなり遅れて登ってくるので、星空撮影にはもってこいのタイミングだ。
ちなみに実際に目で見る星空は、今回の特集ページで紹介している星空写真よりももっと美しく、そして見える星も多く、大マゼラン雲や小マゼラン雲なども目視で確認できるほど澄み渡っており、寝そべって星空を眺めると本当に星が降ってくるような夜空が広がっている。

星空撮影アプリの設定

三脚にiPhoneを固定して、撮りたい星空にカメラを向けたら、遠隔シャッターボタンをBlutoothで接続。そして星空撮影アプリ「Night Cap カメラ」を立ち上げて、設定(歯車マーク)からインスタントシャッターをON(iPhoneの音量ボタンでシャッターが切れる / これをONにしないとボタンが反応しない)にして再び歯車ボタンを押して設定を閉じる(写真左)。続いて画面左下の星マークをタップして「星の光跡モード」を選択(写真中央)し、出てくる補足事項を「タップで閉じる」をタップして消して(写真左)撮影スタンバイはOKだ。
マニュアル調整について

なお、このNightCapカメラでは、マニュアルでISO感度や、絞り(EXP)、焦点、ホワイトバランス(WB)なども自分で調整できるが、星空にカメラを向けると勝手にアプリが自動調整してくれるので、今回の撮影では、カメラの調整は全て自動でおまかせしている。
なお、カメラの画像にノイズが多いなぁと思う場合は画面の左端を上下に指でなぞるとISO感度の調整ができる。ISO2000程度に抑えるとノイズも少なくなるが、その分カメラに入ってくる光量も少なくなるので、天の川などの淡い光はうまく捉えられなくなるので注意したいところだ。
シャッターを押したら15秒~20秒待つ
後は遠隔シャッターを押して露光開始。星の光跡モードの場合、シャッターを押して再び押すまでカメラが延々シャッターを切らずに撮影を続けるので、露光時間が15秒~20秒過ぎたら、再びシャッターを押して撮影を終了させよう。
なお、撮影時間は20秒を超えると、星が移動して星の形が長細くいびつな形になってしまうので、最長でも20秒までに留めるようにしよう。また、20秒であっても、真南、真北から外れると星の動きは早く大きくなってしまうため、撮れた写真を確認して、ちょっと星の形が変だなと思った際は、少し露光時間を短くして何度か写真撮影をしてみよう。
なお、このNightCapカメラには「星モード」というのもあるんだけど、このモードで撮影すると15秒で自動的に露光時間を調整してシャッターを切るので便利なんだけど、絞りの設定のためか捉えられる光の量が「光の光跡モード」に比べ少なくなり、天の川の光がうまく収められなかったりもするので、私としては「光の光跡モード」を使用するのをおすすめしたい。
撮影できた星空の写真

そうして20秒の露光時間で撮影できた南半球の星空写真がこちら(iPhoneXRで撮影)。結構な数の星が捉えられているのと、運良く写真中央には流れ星も写っている。ラッキーだ♪ なお、テカポ湖では流れ星は頻繁に見ることができるので、こうした流れ星の写真撮影もそんなに難しくはない。
さてこちらの星空写真であるが、たしかに星はよく写ってはいるが、淡い光の天の川がうまく出ていない。言ってみればこの写真がiPhoneカメラ性能の限界といえるところかもしれない。さて、ここからはアプリの力を借りて、この星空の表情をもう少し豊かにしていこう。
アプリでトーンカーブを大胆に

撮った写真を写真修正アプリで開く。画面は私が持っているPhotoshop CS6の編集画面であるが、上で説明したグーグルの無料アプリ「Snapseed」でもトーンカーブ補正ができる。Photoshopの場合は「イメージ」>「色調補正」>「トーンカーブ」、Snapseedの場合は修正したい写真を開いて下の「ツール」>「カーブ」でトーンカーブを補正できる。
トーンカーブの修正は、上の写真の右のようにカーブをぐっと盛り上げる感じにカーブを調整しよう。こうすると明るい場所をより明るく補正することができる。写真でも星空の画像がモワモワっと天の川の光が見え始めているのが分かるはずだ。
ノイズを軽減

トーンカーブ補正で明るさを強調してやると、写真データに入っているノイズも明るく見えるようになってしまうため、画質としてはノイズが多くなり品質は落ちてしまう。そこで、Photoshop限定とはなってしまうが「フィルター」>「ノイズ」>「ノイズの軽減」でノイズをちょっとだけ消してやると、写真がより美しくなるので、Photoshopを使う場合は試してみよう。設定としては、強さ7、ディテールを保持14%、カラーノイズを軽減32%、ディテールをシャープに3%、そんな感じ。
iPhoneXで星空撮影をすると・・・

さて、アプリを使っての写真の修正方法を紹介したところで、iPhoneXで星空撮影をしてみた写真も紹介しておこう。さっきまでの写真はiPhoneXRで撮影したものであるが、この写真はiPhoneXで同じ設定で星空撮影をしたところ。写真にはかなりのノイズが入ってしまっているのが確認できる。こうなると、点が星の光なのか、ただのノイズなのかを判別するのが困難になってしまう。
このiPhoneXの星空のノイズは、多分、iPhoneXに入っている暗部でのカメラの画像処理プログラミング(HDR処理)が、iPhoneXRやXSに比べ劣っているために起こる現象ではないかと推測しているが、こうもノイズが多くなると、写真修正ソフトを使っても微妙な光の加減を表現できなくなる。
思いっきりトーンカーブを調整してみるものの・・・

iPhoneXのノイズが多い星空を、なんとかトーンカーブを使って調整してみたのがこちら。星はそこそこ鮮明に表現することには成功しているが、天の川の淡い光は強調不可能。結果、星は捉えられるが、天の川までは再現不可能となる。
iphoneXRの修正後の星空写真

そしてアプリで「トーンカーブ」と「ノイズの軽減」を使って画像修正を加えた星空写真がこちら。星の周りが淡くモワモワっとなって、なんとか天の川の光も写真に収めることが出来たのが確認できる。
さらに淡い光を強調

さらに淡い光をより鮮明に修正を加えてやると、こんな感じでかなり天の川がくっきり見え始める。ここまでの写真修正は無料アプリでは無理になってくるためPhotoshopあたりの画像処理のプロツールが必要となってくるが、まぁ、iPhoneで星空を撮影した際には、写真修正も含めてこのあたりが限界ではないかと思う。これ以上の星空写真を求める場合は、腹をくくって一眼レフと最適なレンズを購入するしかないだろう。
露光時間を増やせばこんな美しい写真も

上の星空撮影ではシャッター時間を15秒~20秒に設定して撮影したが、それを15分とかにしてやると、こんな感じで星空が回っている光跡を写真で捉えることもできる。写真のモードは上の「星の光跡モード」と同じで露光時間を極端に伸ばしただけで、こんな感じの写真が撮れる。NightCapカメラアプリで星空の写真撮影に慣れてきたら挑戦してみるのも楽しいかもしれない。

iPhoneでの星空撮影

iPhoneでの星空撮影。世界一の星空を見ることが出来ると言われるニュージーランド・テカポ湖で撮影して、iphoneで一番キレイに星空を撮る方法を模索してみた。実際にやってみた感想としては、現状ではiPhoneで星空を写すためには、XSもしくはXRという新しい機種を使い、さらに画像修正アプリの力を借りて、なんとか美しい星空を再現することができるかなぁ・・・といった感じだ。
これから先、もっとスマホのカメラが進化すれば、一眼レフにも匹敵するような星空写真を撮ることができるようになるかもしれないが、現在のところではこのあたりが限界点。とはいえ、いろいろと工夫をしてやれば、このぐらいの星空写真はiPhoneで再現することは出来るので、もしもiPhoneでなんとか美しい星空を写真に収めてみたい、という人がいればぜひ参考にしてみてほしいと思う。ではでは♪





