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天龍寺塔頭「宝厳院 / ほうごんいん」の秋の紅葉ライトアップ【京都観光】

「宝厳院 / ほうごんいん」の秋の紅葉ライトアップを実体験レビュー!
京都・嵐山にある天龍寺の塔頭(たっちゅう)「宝厳院 / ほうごんいん」。このお寺では、毎年秋の紅葉シーズンにはもみじの木が見事な庭園がライトアップされ、たくさんの観光客が押し寄せる人気の紅葉スポットとなっている。今回、私達は11月19日にこの宝厳院を訪問。その大人気の紅葉ライトアップを見てきたので、その時の様子を実体験レビューしてみたいと思う。
今回のお話の舞台場所は...

宝厳院の場所
宝厳院のある場所は、保津川(桂川)に掛かる渡月橋から歩いて5分ほど(約500m)の場所。マリオットのラグジュアリーコレクションホテル「翠嵐 / すいらん」の隣にあるお寺でもあるので、翠嵐に宿泊の場合は、簡単に歩いてアクセスすることができるお寺でもある。

宝厳院 特別拝観 ライトアップの拝観料と時間 / 時期
宝厳院のライトアップ(特別拝観)には、拝観料が必要となる。料金 / 拝観料は大人600円 / 小中学生300円。夜間の特別拝観の時間帯は17時30分~20時30分(閉門)/ 受付は20時までとなっているので注意しよう。また、ライトアップの特別拝観が行われているのは2019年は11月8日~12月1日までと、11月中がメインに行われているので注意しよう。
ちなみに、私達が訪れたのは11月19日の平日の夜でそれほど混み合ってはいなかったが、一番のピークのときには約500m先の渡月橋のほうまで行列ができることもあるらしい・・・どんだけ人気やねんっと突っ込みたくなる人気ぶりだ(笑)
なお、この宝厳院のライトアップは、前売りチケット(600円)も販売されており、そのチケットを持っていると受付に並ばなくても入場できるので手に入れておくと便利。どこで発売されているかはあまりよく知らないんだが、翠嵐に宿泊の場合は、レセプションのコンシェルジュデスクで購入することができる。

宝厳院の入り口
それでは、入場手続きも終わったことなので、早速この宝厳院ライトアップを見てみよう。こちらは宝厳院の庭園入り口。11月も下旬になると、夜は結構冷え込むので暖かい服装で訪れるのがおすすめだ。

宝厳院 入り口のお店
入口入ってすぐの場所には、朱印帳やポストカード、お土産などが売られているお店施設。その建物の壁には「数珠玉授与所」なる看板も掲げられている。
お寺巡りの場合、御朱印を集めて回るのがブームになっている昨今であるが、京都と滋賀のお寺ではお寺を巡ってそのお寺の名前が刻まれた数珠玉を集めてオリジナルの数珠を作る「数珠巡礼会」というものがあり、この宝厳院もそのお寺の一つとなっている。

近未来的な彩りの紅葉ライトアップ
宝厳院を奥に入っていくと、目の前にあらわれたのは鮮やかな色合いの、もみじを始めとする様々な木々の紅葉のライトアップ。足元の灯籠は放射状のモダンな光を放っているし、目の前の木々も緑やら赤やらオレンジやら・・・本当にここはお寺なのか?と思うような奇抜な色合いの紅葉のライトアップが広がっている。
木々を照らしているライトは着色されていないので、この鮮やかな彩りは全て自然の色合いなのだが、ライトに浮かび上がる色彩があまりにも鮮やかで美しく、どこか近未来的な雰囲気もする。

まだ緑のもみじも
ライトアップされている紅葉の葉は、まだ緑っぽいのもの多く、これから数日~1、2週間かけて赤く染まりそうな感じだ。多分、京都で一番の紅葉を見るのを狙うなら最近は11月最終週ぐらいが見頃になるのかな?

夜のライトアップされた紅葉
庭園の紅葉の木の中には、だいぶ色付いている紅葉の葉を付けているものもある。夜の闇に照らし出された赤い紅葉の葉っぱは、どこか妖艶な雰囲気も漂っている。

地面の苔も均一で美しい
このライトアップでは、ついつい紅葉(もみじ)ばかりに目がいくが、庭園の地面に生えている苔も、ふわっとした均一の様を見せていて美しい。ここ宝厳寺の紅葉はまだ色付き始めたばかりだが、暫く経つとこの苔の上にもたくさんの赤くなって枯れ落ちた紅葉の葉が敷き積もることだろう。

獅子吼の庭
この宝厳院の庭園は「獅子吼の庭」の呼ばれている庭園で、室町時代に中国に二度渡った禅僧、策彦周良禅師によって作庭され、嵐山の景観を匠に取り入れた借景回遊式庭園となっているそうだ。その「獅子吼」とは「仏が説法する」の意味で、この庭園を散策し、鳥の声、風の音を聴く事によって、人生の心理、正道を肌で感じることができる、という庭なのだとか。

緑から赤へと移り変わる紅葉
宝厳院の紅葉で、とても美しいと思ったのは、この緑から、黄色、オレンジ、赤へと移り変わっていくグラデーション。真っ赤に染まった紅葉の木も美しいが、こうして色合いが今まさに移り変わっている紅葉の葉の色も、これはこれでとても美しい。

本堂襖絵の特別公開
さて、宝厳院の庭園を順路に沿って歩いていくと「特別公開 - 本堂襖絵」という看板を発見する。この本堂に入場するのには、拝観料とは別に1人500円が必要とのことであるが、せっかくライトアップに来たのだから見てみようかな。
なお、下の「お茶席」は昼間の拝観のみの催し物で、宝厳院ライトアップ拝観の際にはクローズドとなっているので利用することは出来ない。

宝厳院の本堂
この宝厳院のお寺は、臨済宗天龍寺派・大本山天龍寺の塔頭寺院。始まりは1461年(寛正2年)に創設され、もともとは現在の京都市上京区にあったお寺だったが、応仁の乱で焼失し、その後1500年代に再興されるも、今度は明治時代に河川工事で土地が買い上げられてしまい、天龍寺塔頭の弘源寺内に移転。その後、現在のこの土地を購入し2002年に再興したという歴史を持つ。
そのためこの現在の本堂はまだ新しい建物となっているので、建物や施設自体の歴史などはまだ浅い。

本堂近くの砂紋
本堂に入る前に、近くの場所に砂紋があったので、ちょっと写真に撮っておいた。この砂紋を見るだけで、日本のお寺だなぁという雰囲気が伝わってくる。その砂紋に落ちたもみじの葉もステキ。

宝厳院 本堂は撮影禁止
さて、宝厳院の本堂に1人500円を支払って入場しよう。本堂には、田村能里子画伯筆の「風河燦燦三三自在」という襖絵が置かれている。この襖絵は、全部で58枚、3室構造で仕切られて飾られているが、その色合いは襖絵には珍しい朱色をベースに描かれており個性的な作品となっている。
写真撮影はNGなので画像をお見せすることは出来ないが、絵の舞台はシルクロードを思わせるようなエキゾチックなタッチのものになっている。またその襖絵のポストカードは、この本堂の案内にて購入することも可能。
ただ、日本のお寺だけど、襖絵はどこかの外国の砂漠のような風景になっているので、純和風を期待して見ると「あれっ?」となっちゃう感じだった。まぁ、私は絵心が無いのでよくわからないが。

紅葉のトンネル
宝厳院の本堂を出て、最後にぐるっと「獅子吼の庭」を見てお寺を後にする。最後、お寺を出た時に、この紅葉のトンネルがこれまた美しくライトアップされていて目を奪われる。ここを抜ければ、宝厳院のライトアップ特別拝観も終幕となる。

宝厳院の紅葉・夜間特別拝観 / ライトアップ・まとめ
京都・嵐山のお寺「宝厳院」の紅葉・夜間特別拝観 / ライトアップは、紅葉の彩りも美しく、また名物の庭園「獅子吼の庭」の雰囲気もとても見事なので、京都嵐山に紅葉シーズンに訪れた際は、一度は見ておきたい観光スポットだ。
なお、宝厳院のライトアップは11月中が主な開催時期となっているので、一番の紅葉の見頃に狙って行きたい場合は、11月の最終週あたりがベストではないかと思う。ただし、その時期はとんでもなく混み合うことも予想されるので、時間には余裕を持って訪れてほしいと思う。それでは、夜の京都・嵐山の紅葉ライトアップで、幻想的な秋の思い出を♪