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更新日 2023年09月04日
【宝厳院の紅葉 2023】宝厳院 秋の特別拝観「紅葉 ライトアップ」は行くべき?【京都 嵐山 観光】
「宝厳院」の秋の紅葉ライトアップは行くべき?

京都・嵐山にある天龍寺の塔頭(たっちゅう)「宝厳院 / ほうごんいん」。塔頭とは、禅宗寺院で、祖師や門徒高僧の死後その弟子が師の徳を慕い、大寺・名刹に寄り添って建てた塔や庵などの小院のことをいいます。
「宝厳院 / ほうごんいん」には見事な日本庭園があり、秋の紅葉シーズンにはもみじの木が美しくライトアップされ、映える写真が取れるので毎年たくさんの観光客で賑わう京都屈指の紅葉スポットとなっています。
人がたくさんいるので素敵な写真が撮れないだろうし行ってもイマイチかな?と悩む方もいるかと思いますが、はっきり断言します。【宝厳院の秋の特別拝観の紅葉ライトアップは行くべきです!】
もちろん、日にちや時間を選ばず行くとすごい人混みできれいな紅葉の写真を撮ろうと思っても人ばかり入ってしまう…なんてことにもなりますが、ちゃんと時間や時期を選べば十分綺麗な紅葉の写真が撮れるのでご安心を。ちなみに、京都 嵐山の紅葉の見頃と「宝厳院 / ほうごんいん」のライトアップの時期はその年ごとに日程が変わります。
ここでは宝厳院の2023年秋の特別拝観の開催時期やライトアップスケジュール、宝厳院への行き方や拝観料などの詳細、きれいな写真が撮れるおすすめの時期や時間、見どころなど、私が実際にスマホで撮った庭園の写真とともにお伝えしたいと思います。京都嵐山観光の参考にしてください。
今回のお話の舞台場所は...
目次
- 「宝厳院」の秋の紅葉ライトアップは行くべき?
- 宝厳院の場所・アクセス方法
- 2023年宝厳院 特別拝観 ライトアップの拝観料と時間 / 時期
- 宝厳院の夜間拝観(ライトアップ)の入り口と夜間拝観の服装
- 宝厳院 入り口のお店
- 鮮やかな彩りは必見!宝厳院の紅葉ライトアップ
- まだ緑色のもみじも
- 宝厳院の夜間拝観・ライトアップされた紅葉
- 宝厳寺の苔は均一で美しい
- 宝厳院の夜間拝観(ライトアップ)・獅子吼の庭
- 緑から赤へと移り変わる紅葉・一番の紅葉の見頃
- 本堂襖絵の特別公開
- 宝厳院の本堂
- 宝厳院 本堂は撮影禁止・襖絵は必見!
- 紅葉のトンネル
- 宝厳院の紅葉・夜間特別拝観 / ライトアップ・まとめ
宝厳院の場所・アクセス方法

宝厳院は、保津川(桂川)に掛かる渡月橋から歩いて5分ほど(約500m)の場所にあります。
- 京福電鉄嵐山線「嵐山駅」下車徒歩3分
- JR「嵯峨嵐山駅」下車徒歩10分
- 阪急電車「嵐山駅」下車徒歩10分
- 京都市バスは28で「嵐山天龍寺前」で下車徒歩約5分
- 京都バスは72、73番で「京福嵐山駅前」で下車徒歩約5分
※参考のため下記に天龍寺の駐車場情報を載せておきますが、ライトアップのときは使えないので注意してください。
【天龍寺の駐車場】
収容台数 自家用車:100台
営業時間 8:30 ~ 17:00(17:00に閉門)
【天龍寺の駐車料金】
- 乗用車:1回1,000円
- バス:1時間 1,000円(以後30分毎 500円)
- タクシー:2時間 500円
宝厳院はマリオットのラグジュアリーコレクションホテル「翠嵐 / すいらん」の隣にあるお寺でもあるので、翠嵐に宿泊の場合は、簡単に歩いてアクセスすることができるお寺でもあります。

2023年宝厳院 特別拝観 ライトアップの拝観料と時間 / 時期

宝厳院の夜間特別拝観(ライトアップ)は秋の特別拝観の時期の期間中、いつも行われるわけではありません。秋の特別拝観中の限られた時期のみとなっています。また別途拝観料が必要となります。
京都 宝厳院の秋の特別拝観ライトアップについて:開催期間
- 2023年10月7日(土)~12月10日(日)
※全期間ライトアップしているわけではありません。ライトアップ期間は下記になります。
- 2023年11月11日(土) ~12月3日(日)
- 夜間特別拝観は17:30 ~ 20:00 / 20:30(閉門)
※受付は20時まで
京都 宝厳院のライトアップ(特別拝観)について:参拝料
- 大人 :600円(去年までの価格です。今年は変更になる予定。分かり次第更新します)
- 小中学生:300円
私達が訪れたのは11月20日頃(平日)の19:00過ぎでそれほど混み合ってはいませんでした。ちなみに一番のピークで混み合うのは開門されたばかりの17:30~18:00くらいの時間帯です。休日のピーク時には約500m先の渡月橋のほうまで行列ができることもあります。
できれば平日に行くのがおすすめですが、休日に行く場合でも帰りのことも考えると早めに行きたい気持ちにもなりますが、開門から少し時間をずらして19:00以降に向かうほうが人も少なくゆっくり見られるのでおすすめです。
なお、宝厳院のライトアップは、前売りチケット(600円)も販売されており、そのチケットを持っていると拝観受付に並ばなくても入場できるので事前に前売りチケットを手に入れておくと便利です。
京都 宝厳院のライトアップ(特別拝観)について:前売りチケット
- 京福電鉄嵐山線:四条大宮駅の窓口
- 京福電鉄嵐山線:嵐山駅の窓口
- 京福電鉄嵐山線:北野白梅町駅の窓口
- 京福電鉄嵐山線:帷子ノ辻駅の窓口
また、マリオット系列のホテル【翠嵐(すいらん)】に宿泊している場合は、レセプションのコンシェルジュデスクで購入することも可能です。
宝厳院の夜間拝観(ライトアップ)の入り口と夜間拝観の服装

それでは入場手続きも終わったことなので、宝厳院の庭園入り口から早速【宝厳院ライトアップ】を見にいきましょう。
夜間拝観に行くときの服装についてですが、京都の11月下旬頃は夜間はかなり冷え込みます。上に羽織物を用意するなど暖かい服装で訪れるのがおすすめです。
宝厳院 入り口のお店

入口入ってすぐの場所には、朱印帳やポストカード、お土産などが売られているお店があります。その建物の壁には「数珠玉授与所」なる看板も掲げられています。
お寺巡りの場合、御朱印を集めて回る方が多いかと思いますが、実は京都・滋賀・兵庫のお寺ではお寺を巡ってそのお寺の名前が刻まれた数珠玉を集めてオリジナルの数珠を作る「数珠巡礼会」というものがあるのをご存知ですか?ひと玉ひと玉ご祈祷・ご祈願された社寺名の入った数珠玉を集め、集めた数珠玉で自分だけの数珠を作ることが出来ます。
宝厳院も「数珠巡礼会」に参加しているお寺の一つとなっていて、このお店で宝厳院仕様の数珠玉を購入することができます。数珠を作るほどは集められなくとも数珠玉を自分の持ち物に忍ばせて自分だけのお守りとして持ち歩くのもおすすめです。夜間拝観の時間帯にもこうしてお寺の中のお店があいているのは嬉しいですよね。機会があればちょっと覗いてみましょう。
鮮やかな彩りは必見!宝厳院の紅葉ライトアップ

宝厳院の道に沿って進んでいくと、突然目の前にもみじを始めとする様々な木々の鮮やかな色合いのライトアップが飛び込んできます。
足元の灯籠からは放射状のモダンな光が放たれ、周りの木々のライトアップも絶妙で緑やら赤やオレンジがとても鮮やか。
木々を照らしているライトは着色されていません。驚くことに、この鮮やかな彩りは全て自然の色合いなんです!ライトに浮かび上がる色彩があまりにも鮮やかで美しく、荘厳な雰囲気の中にもどこか近未来的な美しさも感じます。
まだ緑色のもみじも

写真を撮影したのは11月20日頃ですが、ライトアップされている紅葉の葉の中にはまだ緑っぽいのもの多く、これから1~2週間かけて赤く染まりそうな感じのものもあります。
ここ数年は、京都・嵐山での紅葉の一番の見頃は11月最終週から12月初めの週ぐらいだと思います。
宝厳院の夜間拝観・ライトアップされた紅葉

庭園の紅葉の木の中には、かなり色付いている紅葉の葉を付けているものもあります。夜の闇に照らし出された赤い紅葉の葉は、どこか幻想的で妖艶な雰囲気も漂っているようにも見えます。
宝厳寺の苔は均一で美しい

宝厳寺の夜間拝観(ライトアップ)では、ついつい上の紅葉(もみじ)ばかりに目がいってしまいますが、庭園の地面に生えている苔も必見です。鮮やかな緑色でふわっと均一になっている様はとても美しく、ついうっとりと眺めてしまいます。
11月20日頃の宝厳寺の紅葉はまだ色付き始めたばかりですが、1~2週間もするとこの苔の上にも赤くなって枯れ落ちた紅葉の葉がたくさん敷き積もり、また違った趣を醸し出すことと思います。
宝厳院の夜間拝観(ライトアップ)・獅子吼の庭

この宝厳院の庭園は「獅子吼の庭」と呼ばれているおり、室町時代に中国に二度渡った禅僧、策彦周良禅師によって作庭され、嵐山の景観を匠に取り入れた借景回遊式庭園となっています。
「獅子吼」とは「仏が説法する」という意味で、この庭園を散策し、鳥の声、風の音を聴く事によって、人生の心理、正道を肌で感じることができる庭が作られています。夜間拝観中には鳥の声はほぼ聞こえず、どちらかというと人の声の方が聞こえてきますが、耳を澄ますと確かに風の音が聞こえます。ライトに照らされた素晴らしい景色を眺めつつ遥か昔に思いを馳せるのもロマンチックで素敵です。
緑から赤へと移り変わる紅葉・一番の紅葉の見頃

私が宝厳院の紅葉でとても美しいと思ったのは、緑から、黄色、オレンジ、赤へと移り変わっていくグラデーションです。全てが真っ赤に染まった紅葉の木も美しいですが、こうして色合いが今まさに移り変わっている紅葉の葉の色は侘び寂びを感じ、これはこれでとても美しいと思います。
海外の方から「京都の紅葉の一番の見頃はいつですか?」という質問をよく受けますが、どのような美しさを求めているかによっておすすめの時期が多少異なります。
毎年紅葉の様子は少しずつ変わるのであくまでも例年を参考にしてのアドバイスですが、緑色が混ざりグラデーションが美しい写真を撮りたい場合は11月20日前後、もっと全体が赤く染まった様子を撮りたい場合は11月下旬頃に訪れるのがおすすめです。(この写真を撮影したのは11月20日頃です。)
本堂襖絵の特別公開

さて、宝厳院の庭園を順路に沿って歩いていくと「特別公開 - 本堂襖絵」という看板が現れます。本堂に入場するのには、拝観料とは別に1人500円が必要です。「本堂襖絵」は宝厳院の見どころの一つでもあります。拝観できるチャンスなので時間がある人はぜひ拝観してみましょう。
なお、看板下に書いてある「お茶席」は昼間の拝観のみの催し物で、宝厳院ライトアップ拝観の際にはクローズドとなっているので利用することは出来ません。
宝厳院の本堂

この宝厳院のお寺は、臨済宗天龍寺派・大本山天龍寺の塔頭寺院です。
始まりは1461年(寛正2年)に創設され、もともとは現在の京都市上京区にあったお寺でしたが、応仁の乱で焼失し、その後1500年代に再興されました。しかし今度は明治時代に河川工事で土地が買い上げられてしまい、天龍寺塔頭の弘源寺内に移転しました。その後、現在のこの土地を購入し、2002年に再興したという歴史を持っています。
そのため、この現在の本堂はまだ新しい建物となっています。とても落ち着いた雰囲気のお寺なので他のお寺のように古い歴史があるのかと思っていましたが、建物や施設自体の歴史はまだ浅いというのは意外です。
本堂近くの砂紋

本堂に入る前に、近くの場所に砂紋があったので写真に撮ってみました。砂紋を見るだけで不思議と心が落ち着き、砂紋に落ちたもみじの葉に侘び寂びと趣を感じます。
宝厳院 本堂は撮影禁止・襖絵は必見!

それでは、宝厳院の本堂に1人500円を支払って入場してみましょう。この本堂には、田村能里子画伯筆の「風河燦燦三三自在」という襖絵が置かれています。その襖絵は、全部で58枚、3室構造で仕切られて飾られていますが、その色合いは襖絵には珍しい朱色をベースに描かれており個性的な作品となっています。襖絵のポストカードは、この本堂の案内にて購入することも可能です。記念に1枚買うのもいいですね。
写真撮影はNGなので襖絵の写真をお見せすることは出来ませんが、襖絵の舞台はシルクロードを思わせるようなエキゾチックなタッチのものになっていました。宝厳院は日本のお寺ですが、襖絵は外国の砂漠のような風景が描かれており、純和風を期待して見に行くと「えっ?」と驚くような意外性があります。
実はこの襖絵の作者は洋画家であり壁画家の田村能里子さんという現在もご存命されている方で、「インドを発祥の地として、シルクロードを通じて東西の文化を融合しながら日本まで到った仏教と、ひとびとの生活の長いときの流れを美しい絵本のように表現したもの」なのだそうです。なるほど、それで砂漠やシルクロードのような背景が描かれていた理由がわかりました。とても柔らかくて美しい雄大な襖絵なので必見です。お時間があればぜひ。
紅葉のトンネル

宝厳院の本堂を出て、最後にぐるっと「獅子吼の庭」を見つつお寺を後にしました。
お寺を出た時、周りの紅葉が美しくライトアップされてまるで紅葉のトンネルのようになっていて目を奪われました。この紅葉のトンネルを抜ければ、宝厳院のライトアップ特別拝観も終幕となります。
宝厳院の紅葉・夜間特別拝観 / ライトアップ・まとめ

京都・嵐山のお寺「宝厳院」の紅葉・夜間特別拝観 / ライトアップは、紅葉の彩りがとても美しく、また名物の庭園「獅子吼の庭」の雰囲気が素晴らしくとても見事なので、京都嵐山に紅葉シーズンに訪れた際は、一度は見ておきたい観光スポットです。
なお、宝厳院のライトアップは毎年11月中旬から11月末まで(年によっては12月はじめまで)が主な開催時期となっているので、一番の紅葉の見頃に狙って行きたい場合は、11月の最終週あたりがベストではないかと思います。ただし、その時期はとんでもなく混み合うので、できれば前売り券を入手し、時間には余裕を持って訪れるようにするのがおすすめです。
それでは、夜の京都・嵐山の紅葉ライトアップで、幻想的な秋の思い出を♪