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更新日 2023年11月30日
【 写真整理 】昔の写真をデータ化して写真アルバムを整理する方法
古い写真をデータ化して整理

先日、引越しに伴い荷物整理をしていたら、大量の昔の写真アルバムが押し入れから出てきた。経年劣化で写真アルバムや中の写真は色褪せてしまってきているが、大切な思い出の写真なので捨てることもできない。でもこのまま放っておけば、さらにどんどんと劣化してしまい、写真を見ることも難しくなってくる可能性もある。
「そうだ!写真をデータ化すれば色褪せないし整理しやすいかも!」
…というわけで、古い写真をデータ化して保存、整理することにした。写真をデータ化する方法はいくつかあるが、どの方法が一番キレイに写真をデータ化できるのか、実際にデータにして写真のクオリティを比較、検証してみたので、私のように昔の写真整理に悩んでいる人は参考にしてほしいと思う。
写真をデータ化する方法
写真をデータ化する方法は、大きく以下の3つの方法が考えつく。
- スマホで写真を撮る
- スキャナーで取り込む
- 業者に委託する
それぞれの写真データ化の方法について、どのぐらいのクオリティで写真をデータ化できるのか、費用はどのぐらい掛かるのかなど詳しく見ていきたいと思う。
スマホで写真を撮る

まず一番最初に思いつくのが「スマホで写真を撮る」方法だ。一番簡単な方法ではあるけれど、写真を写真に撮って保存するというのはクオリティ的にも心配なところだ。実際に写真を写真に取る際には、できるだけ照明は明るく、忠実に写真の色を再現してくれる白い光で撮る必要があり、さらに影や光の反射が無いように撮らなくてはいけないなど、注意しなくてはいけない事項がたくさんあって大変だ。
写真1枚を取り込むのにかかる時間は写真を撮るだけなので非常に高速ではあるが、光の加減といった撮影環境の調整、斜めにならないように写真を撮らないといけないなど、写真を撮るまでの設定にかなり時間がかかってしまうのも、このスマホ撮影による写真のデータ化のウィークポイント(弱点)だと言える。
写真データのきれいさ:スマホ撮影

実際にスマホを使って古いL版の写真を写真撮影をしてみた(撮影:iPhone Xs)。データ化された写真が上のもの(サイズ L版:127mm × 89mm / 350dpi で保存)となるが、写真実物に近い再現率になっていていて驚く。色については元の写真が50年以上前のものなので色褪せてしまっているが、その色褪せ度も忠実にデータ化されている。
精密部分は劣化

しかし、データを拡大表示すると細かい精密な部分は写しきれておらず、例えば顔の細かいところや着物の模様などはモラモラっとしてぼやけてしまっている。とはいえ、このぐらいの精度なら、写真L版でプリントアウトしてしまえばそれほど気になるものでもない。
スキャナーで読み込む

続いての方法は、スキャナーを使って写真をスキャンして取り込む方法だ。この方法の場合、スマホ撮影のように写真を撮影する環境を気にする必要が無いため、ボタン一つで簡単に写真を取り込めるのは大きなメリットだ。また今の標準的なスキャナーであれば高解像度(600dpi~1200dpiなど)でスキャンできるのもポイントだ。ただし、高解像度になればなるほど写真を取り込める時間も長くなる。例えばL版の写真を解像度600dpiで取り込もうとすると、機種にもよるが私の家のブラザーの複合機のスキャナー(MFC-J738DN)の場合、約20秒ほどスキャンに時間がかかる。データ化したい写真が大量にある場合は、それ相当の時間がかかってしまうのがネックとなる。
写真データのきれいさ:スキャナー取り込み

実際に600dpiの解像度でスキャンした写真データ(スマホ撮影と同じくサイズ L版:127mm × 89mm / 350dpi で保存)がこちら。スマホ撮影に比べて、全体的に色が濃い目に取り込まれている。この色味についてはスキャナーによって差があると思われるが、私の家のスキャナーの場合は、実物写真と比べても少し濃い目になっており、写真によっては元写真に比べて暗い印象になる。
精密部分はスマホよりキレイ

このスキャナーで取り込んだ写真データを、スマホ撮影の時と同じく、同じ場所を同じ倍率で拡大してみる。すると、スマホ撮影の時はモラモラになっていた精密部分がスキャナーで取り込んだ場合はかなりキレイに取り込まれているのがわかる。
つまり、スマホ撮影で写真をデータ化するよりも、スキャナーで600dpi程度の解像度でスキャニングしたほうが、より細部まで美しく写真をデータ化できるというわけだ。
写真の読み取り専用スキャナ

なお、通常のスキャナーではなく、写真取り込みに特化したスキャナーも各メーカーから発売されており、写真のスキャン取り込みが1枚数秒でできてしまうものもあったりするので、そういった写真専用のスキャナーを用意すれば、写真のデータ化にかかる時間を大幅に短縮することができる。
例えばエプソンのフォトスキャナー(FF-680W)だと、解像度600dpiで高速に写真をスキャニングできて、自動で写真の色褪せを修正してくれる機能も備えており非常に高性能で便利。
エプソン フォトスキャナー FF-680W
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しかしその分、お値段も6万円近く掛かってくる。写真のデータ化に予算を掛けられるなら、こういった写真取り込み用スキャナーを用意して昔の写真のデータ化作業をすすめるのもいいだろう。
写真データ化を業者に委託
写真のデータ化を自分でするのは面倒くさい!そんな場合は、この写真のデータ化を業者に委託してしまうのが簡単だ。料金は、業者にもよると思うが、だいたいL版1枚(300dpi)で10円ちょっとから。しかしデータ化完了までに掛かる時間は数ヶ月程度とかなり気長に待つ必要があり、より高画質のデータ化を求める場合はコストもその分掛かってくるので、この業者に委託する方法はお金と時間に余裕がある人向けだと言えるだろう。
写真データ保存の注意点
以上が古い写真をデータ化する方法と、写真を実際にデータ化したときのクオリティなどの詳細となる。自分の持っているデジタル機器によって、写真をデータ化するのに最も適した方法は変わってくるとは思うが、枚数がそんなに多くない場合はスキャナーを使って取り込み、枚数が膨大な場合は写真用のスキャナーを買ってデータ化するのがおすすめではないかと思う。
しかし、写真をデータ化した際に気をつけなくてはいけないことがある。それは写真データを保存する記憶メディア(HDD、フラッシュメモリ、CD、DVDなどのこと)の選別だ。実はデータを保存できる記憶メディアには、以下のような大体の耐用年数(寿命)があると言われている。
記憶メディア | 年数 |
---|---|
CD / DVD / Blu-Ray | 5年~20年 |
フラッシュメモリ(microSDなど) | 1年~3年 |
SSD | 5年 |
HDD | 5年~10年 |
M Disc | 100年以上 |
これらの耐用年数は、使用環境や保管状況によりかなりの差異があるが、例えばmicroSDなどのフラッシュメモリになると、その耐用年数(寿命)は1年~3年と非常に短く、例えば私が持っているmicroSDも古いものは読み取りがかなり怪しい挙動になっているものもあるなど、写真データの長期保存には適していない。つまりせっかく写真をデータ化しても、耐用年数の低い記憶メディアに保存してしまうと、メディア自体の劣化や破損によりデータが消失してしまうことになる。
そのためデータの長期保存にはCDやDVD、Blu-rayといった記憶メディアが最適(それらの耐用年数を強化したM Discが一番いいが書き込みには対応したドライブが必要)。もしも寿命の短い記憶メディアに保存する場合は、定期的にデータの移し替え作業が必要になるので注意したい。
以上のことを踏まえ、写真をデータ化しつつ整理をしていきたいと思う。ではでは。